
銀座 ペルー料理ETHICA|アンデス1万年の食文化が宿る一皿
約1万年前、南米アンデスの高地で人類史を変える出来事が静かに始まりました。野生植物の栽培化、いわゆる作物の家畜化です。小麦のメソポタミア、米の長江流域と並び、アンデスは世界四大農耕起源地のひとつに数えられます。その遠い時間軸を、現代の銀座で味わえる場所があります。銀座 ペルー料理として注目を集めるETHICAは、1万年という途方もない時間を一皿に折り畳む、稀有なレストランです。
アンデス文明が人類に贈った食材は驚くほど豊かです。ジャガイモは現在も約3,000品種が存在するとされ、標高や気候に応じた多様性は他に類を見ません。キヌアは「母なる穀物」と呼ばれ、近年その栄養価から世界的に再評価されています。トウモロコシもまた、単なる主食を超え、チチャと呼ばれる発酵酒の原料として神事や日常に深く結びついてきました。噛み砕いた穀物を発酵させるという古層の知恵は、現代のガストロノミーが再発見しつつある「発酵」というキーワードと響き合います。定住が発酵を生み、発酵が文明を育てた。中南米の食卓には、その物語が今も息づいています。
こうした文脈を一皿に翻訳するのが、東京のミシュラン二つ星レストランMAZ出身の松苗シェフです。中南米料理の最前線で培った知見をもとに、アンデス原産の食材と日本の旬や発酵文化を重ね合わせ、ETHICAでしか出会えない中南米イノベーティブを構築しています。カウンター16席という親密な空間では、シェフが目の前で仕上げる一皿の所作、素材が皿の上で出会う瞬間の香り、そして希少なナチュールワインのペアリングまでを五感で受け取ることができます。個室席も備えているため、特別な時間にも適しています。アンデスのジャガイモが日本の出汁と出会い、キヌアが繊細な前菜に姿を変える——そこには、1万年の時間と、二つの大陸の感性が同居しています。
訪問前に知っておきたい実用情報もお伝えします。ETHICAは東京都中央区銀座1-3-3 東亜ビル1F、銀座一丁目駅3番出口から徒歩30秒、有楽町駅からも徒歩2分という好立地です。営業時間は火〜金が17:30〜22:30、土日は11:30〜14:30と18:00〜22:30の二部制、月曜定休となります。完全予約制で、翌月分の予約は毎月1日から受け付けています。ベジタリアンコースをご用意しており、ヴィーガン対応のご相談も可能です。1万年前のアンデスから銀座へと続く食の物語を、ぜひご自身の舌で確かめにいらしてください。
